大学4年。一留が確定していてなお、二留しそうだ。

 現在不登校真っ最中である。

 

 もともと大学で特別学びたいことがあるわけではなかった。

 進学を決めたのは一になんとなく、二に就職のため、三が周りへのメンツ、そんなところだと思う。なんとなく、というのは本当に流されて何も考えていないというよりは、学力もあったからもったいない、というのが正直なところだ。

 つまりもともとの動機づけは圧倒的に弱かった。

 それでも当初の第一志望――駄目元でさらに上のランクも受験していたが――に合格し、ふつうに単位とってふつうに卒業して、きっと就職するのだろう、と思っていた。

親は主席を目指せと(口うるさくというわけではなく、やるからにはという意で)言っていたが、そこまで頑張る気もなかった。

 

 学部に入って、ほどなくして、いくつかの授業に出なくなっていた。

 理由はつまらないだとか、予習がしんどいだとか、もっと単純に幼稚に1限で朝起きられないだとか、そういう感じだ。

 教授陣がつまらない、というよりは、授業内容に興味がわかない。もっとも授業のほとんどは選択制なので完全に自業自得だ。

 予習がしんどい、つまり宿題やレポートができない。手がつけられない。

 これは今に始まったことではなく、遡れば小3あたりから宿題をほとんど出さない子になっていて、それがそのまま高校を卒業するまで続いていた。性質の悪いことにテストの点数は取るので、成績表のランクは1下がるか下がらないか。両親とも多忙で割と放任主義に近く、とりたてて問題視されることもなく約10年間を過ごしてきた。改善する気も起こさなかった。

 そのツケが、ここに来て一気に回ってきた。

 無論、改善策としては言うまでもなくやるしかないのだ。手帳に日付を書き込み、優先順位をつけ、どれだけ面倒であろうが一つ一つこなしていく。

 しかしその当たり前のことが、全くできない。最長でおよそ2週間。自分ではもうどうすればいいのかわからない。身近な人に都度、何日に宿題がある、と報告をして確認してもらえば良かったのだろうか。

 朝起きられないのは、確か授業を休み始めてから、鬱っぽくなってきてからだったと思う。

 

 最大の問題点は、これも昔からだが、大がつくほどの嘘つきであることだと思う。

 今期の単位がまともに出なくても、学校に行っていなくても、「大丈夫」と親には嘘をついた。所属していたサークルの友人にはヤバイ、とは漏らしていたが、それほど深刻な調子で相談や話をすることはなかった。そう、そもそも大学に気のおけない友人がいなかったことを思い出した。

 サークルでは去年は部長まで勤めていたのだが、怠け癖とそれをごまかす嘘つき癖は健在で(それだけのせいとは言わないが一因はあるだろう)、何かが滞ったり抜けがあったりすることはしばしばあり、常にサークルに対して罪悪感があった。それはすなわち部員への罪悪感であったのだと思う。

 話を戻す。昔から、怠慢を隠すためにしばしば嘘をついてきた。小さなものから大きなものまで、毎日だ。

 意図せぬミスを隠すのはよくある話かもしれないが、自分のそれは故意の怠けである。とにかく、自分がわざと、自覚的に「悪いこと」をしていると思われたくなくて、怠慢の結果をミスにすり替えたりさえ日常的にやっている。

 たとえばお皿を洗っておいて、と言いつけられていたが面倒でやらなかった。帰ってきた母に怒られる。言い訳するのは「面倒だった」ではなく「忘れていた」だ。

 どちらがいけないことなのか、あるいは聞いた時の心象が悪いか、はさておき、くだらない話だと思うかもしれない。結局やっていないことに変わりはないのだ。それでも、最早反射的にそういう嘘を沢山ついてしまう。

 そして故意と不慮のすりかえでなく、当分の間隠しておけるならなおさら嘘をついた。

 不登校を徹底的に隠した。それも考えうる限り巧妙に。

 朝はなるべく起きるべき時間に起き、行ってきますと玄関を出る。実際学校には行く。そしてPCルームや食堂などで適当に過ごし、親のいない時間帯に帰ってくるのだ。馬鹿な話、いや情けない話だ。

 最近では猛暑のせいかそれとも拒否反応のせいか、学校にすら行くのが億劫になり、ショッピングセンターや図書館で時間を潰す日々が続く。その間はスマホツイッターを見たり、ゲームをしたり、たまに漫画を読んだりしている。二次創作なら読むのだが、オリジナルの小説を読む気力は、もうほとんどない。

 

 実は、ちょうど去年の今頃、不登校であることが周りに発覚し、その後半年休学している。

 親が気づいたのではなく、親の知人が様子のおかしいことに気づき、一対一で話を聞いてくれたのだ。その一回きりのカウンセリングのようなものだったのだと思う。最初はあたりさわりなく話していたが、こらえきれず学校に行けていないと話した。その後その人とも相談し、親には自分から不登校だと泣きながら告げた。両親はこちらが不安になるくらい優しかった。

 疲れてきたのでその後の休学期については割愛するが、そういう経緯もあり、またも不登校になっている、という事実に耐え切れなくて、悶々と日々を送っている。

 成績表はネット開示であり親が見ようとしない限り見えない。このまま半年隠すのか。言わない限り悪循環は続く。分かってはいるのだ。

 甘すぎる話だ。だが。……誰か助けてはくれないだろうか。